令和6年6月21日知事会見記録
開催日時
令和6年6月21日10時30分から11時13分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
「第14回いわてマンガ大賞コンテスト」、その作品を今日(6月21日)から9月20日までの間、募集します。
はい、ここ(ディスプレイ)に映っているとおりです。
岩手に関連のあるオリジナルの作品ということで、「一般部門」、「1~4コマ部門」、「イラスト部門」の3部門で募集します。
一般部門の一次審査を通過した作品を対象に、漫画編集者による作品添削の実施、漫画技術の研鑽(さん)の機会も設けられます。
応募要項は、英語、フランス語、中国語でも公開します。外国人の方や海外からの応募も期待します。
ポスターイラストは、昨年度(令和5年度)開催の「第13回いわてマンガ大賞コンテスト」の大賞受賞者、為永江田(ためなが・えた)さんが書いたものです。鬼剣舞の鬼です。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
今回、第14回となりますけれども、回を重ねてきて、どういった作品が目立ってきたかというところと、また、どのような作品の応募を期待するかというところ、改めて伺えますでしょうか。
知事
基本的には、自由に描いてほしいのですけれども、自由に描くに当たっても漫画として優れた、漫画として面白い作品を期待したいと思います。岩手の良いところを紹介したいとか、岩手の良さをアピールしたいとか、そういう思いでいろいろ紹介するような漫画作品もあり得るわけですけれども、そこが、ただ紹介するだけではなくて、やはり漫画作品として面白いということを期待したいと思います。一般部門であれば、やはりストーリーとか、キャラクターとか、そういうところを面白くしてほしいなと思いますし、1~4コマ部門は、やはり構成とか構図の面白さ、イラスト部門は、最近始めた新しい部門なのですけれども、ここもやはり漫画、イラストというジャンルとしての面白さというのを期待したいと思います。
記者
ありがとうございます。これまで13回続けてきて、作者の方々のレベルが上がってきたとか、何か感じるところはありますでしょうか。
知事
レベルがだんだん上がってきています。絵が上手になってきていますし、ストーリーやキャラクターの漫画としての完成度が高くなっていると思います。それから、取り上げる題材も、いわゆる定番の岩手ものというよりも、あまり人が気が付かないようなところに光を当てたりとか、あるいは、定番ものを扱うにしても、思いも付かないような取り上げ方をするとか、そういう意外性というのも、やっぱり楽しさの一つですので、意外性を感じさせてくれる作品として発展していますので、それを更に期待したいと思います。
幹事社
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、発表項目以外について、質問はありませんか。
記者
都知事選挙についてお伺いしたいと思います。知事もXのほうでポストされていたものもあると思うのですが、今回、過去最多の56人立候補されて、うち24人が特定の政治団体の方だったり、卑猥(わい)なデザインのポスターを掲示したりとか、ポスターの枠が足りないとか、政見放送が非常に長くなる可能性があるとか、いろんな問題が出てきていると思います。公正な被選挙権の確保は、民主主義を担保していく上で非常に重要だと思いますが、少し無秩序になってしまっているこの選挙の現状について、何か対応が必要であるかとか含め、知事としてのお考えを伺えればと思います。
知事
選挙の主役は有権者である。有権者こそ主権者でありますし、そういう有権者こそ選挙の主役だという原点をみんなで確認しなければならないのだと思います。立候補者は、有権者に選ばれる選択肢として立候補しているわけで、やはり選ぶ側のほうが主役です。ですから、選ばれる側は、有権者が選ぶということを混乱させたり、邪魔をしたりしてはならないわけであります。立候補する人たちは、特別公務員の職に立候補しているわけで、公務員というのは全体の奉仕者、都知事選であれば東京都民全体に対する奉仕者になろうという前提で立候補をしているわけでありますから、選挙運動も当然、都民に、有権者に奉仕するという精神でやらなければならないわけで、そこから明らかに逸脱していると都民が判断すれば、そこはいろんな制限はあり得ると思います。これも民主主義、地方自治の枠組みの中で、基本的には選挙管理委員会の判断になると思いますし、ひいては東京都民が、有権者が声を上げていけば健全な選挙、そして、都民が、有権者がベストの選択をする、良く考えて、そして、主体的に一人ひとりがきちんと投票することができるという選挙ができるようにしていけるのだと思います。
記者
ありがとうございます。候補者を事前に審査するような形になると、いわゆる専制主義的な国ですね、そもそも立候補ができないということになると、そこは非常に割合として難しいところがあると思うのですが、例えば、国会で議論をして法改正をするべきだとか、これはあくまで都選管の判断なのか、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。
知事
今は、まず、有権者の選挙への参加を、公営掲示板をめぐって混乱させたり、あと、あるポスターは、有権者のかなりの部分がそういうものが貼ってあるほうを見てはならないというような、およそ公営掲示板のほうに目を向けてはならないようにさせるようなものが貼られているという判断であれば、そこはちゃんと、できるだけ多くの基本的な全ての有権者が、気持ち良く知事を選ぶための参考にできるような掲示板にするための行動というのを、問題のある立候補者に求めていいのだと思います。そこは選管の判断とか、あるいは東京都民の判断ということになると思います。
幹事社
すみません、いきなり。
では、各社から質問があればお願いします。
記者
私のほうから動物愛護センターについてお聞きをしたいと思っておりました。昨日(6月20日)、県と盛岡市が共同整備する動物愛護センターの整備地が県営球場跡地の(東側)駐車場に決まったという発表がありました。知事のほうからセンター整備に期待する効果でありますとか、期待する言葉をいただければと思っておりました。
知事
動物愛護センターの予定地を盛岡市との共同設置に向けて決定、公表したわけでありますけれども、その予定地は県民から分かりやすく、親しみのある場所であること、また、交通アクセスが良い場所であることなど、「岩手県動物愛護センター(仮称)基本構想」に掲げている設置場所の要件に合うような場所であるべきということで、盛岡市と協議を重ねてきたところであります。元県営野球場の(東側)駐車場は、野球観戦等で多くの県民が来場した経験があったりして、広く県民に知られている場所と言えると思います。また、幹線道路沿いで交通アクセスも良く、公共交通機関の利用も可能であるということから、基本構想で想定している整備地要件に合致した場所として選定したものです。
記者
ありがとうございます。今後、この動物愛護センターが、基本構想では動物愛護精神の醸成であるとか、殺処分のゼロといった、期待される効果があるのですけれども、知事のほうから期待する効果というところも一言いただけますでしょうか。
知事
動物愛護の精神というのは、盛岡市、また、岩手県(で)かなり浸透してきていて、保護猫の譲渡の活動など、犬や猫が殺処分されないようにということを、行政以外でも団体や個人が活動したり、それに多くの人たちが応えたりしていて、進んでいるというところでありますので、これを更に促して、より個人や団体が活動しやすいようにして、そして、動物愛護ということが更に浸透していくようにしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、今回は球場(跡地)の(東側)駐車場というところではあったのですけれども、そこで県民の方たちが気になるのが、県営球場(跡地)の今後の在り方というところも一つ注目になるかと思います。現時点の検討状況でありますとか、今後の県営球場跡地の在り方というところ、望ましいものはどういうものかというところをお聞かせください。
知事
県営球場跡地の残りの部分については、所在地である盛岡市の意向をまず確認しているところでありまして、今は跡地利用の検討中というところです。
記者
改めて、都知事選についてお伺いさせてください。先週もちょっと聞かせていただいたと思うのですけれども、改めてなのですが、都知事選や都政、新知事への注文や期待というところでお伺いをお願いします。
知事
公営掲示板とポスターの問題を見て、今、強く感じているのは、有権者を応援しなければならないなということです。ある種不正常と言われてもおかしくないような形で選挙戦が始まってしまっていて、なかなかベストの選択をするということに集中するのを妨げるような要因が冒頭から出てしまっているという中で、東京都民の皆さんが自分たちの代表を選ぶということを、よりスムーズに、そして、しっかり行うことができるよう、まずは東京都民の皆さんを、有権者を応援したいと思います。
ですから、そうやって都民の皆さんが、有権者の皆さんが頑張って選んだ人であれば、それは誰であろうと一緒に仕事をしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。あと、常々知事は問題意識を持たれていると思うのですけれども、東京の一極集中について、新しい知事にどのようなことを求めるか、また、是正について具体的な施策みたいな、こういうことをしたらいいのではないかというお考えがあったら教えてください。
知事
そういう意味では、新しい知事に求めるというよりも、東京都という自治体に求めることでありますが、地方とともにある東京都ということだと思います。例えば、東京オリンピック・パラリンピックも2回目であれば、1回目は東京というまちをつくり、東京というまちを振興するためのオリンピック・パラリンピックで良かったと思うのですが、2回目は、特に地方創生をやっている最中のオリンピック・パラリンピックでもありましたので、むしろ東京というよりも日本の地方が良くなる、発展するための東京オリンピック・パラリンピックというものをうまくやることができれば良かったなと思っています。
東日本大震災被災地に対しては、聖火リレーの日数を長くするとか、特別の大きい操り人形を陸前高田(市)の浜辺で歩かせるみたいなイベントをやってくれるなど、東日本大震災被災地にはかなりの配慮があったと思っているのですけれども、日本全体に対してそういうことができれば良かったと思っていまして、コロナの関係もあって、いろいろうまくいかなかったところはあるのですが、オリンピック・パラリンピック以外でも、あらゆる政策分野で地方のための東京都というような、それが東京のためにもなるわけですし、そういうことを求めたいと思います。
記者
ありがとうございます。最後に、小池さん対蓮舫さんで、事実上の与野党対決みたいな言われ方をされています。ただ、岩手でやったような形で野党共闘というのは進んでいないようですけれども、その点について思うところがあったら教えてください。
知事
有権者の皆さんを応援したいというところからしますと、政界再編ならぬ有権者再編といいましょうか、有権者の人たちがそれぞれ自分の願いを実現するために、自由な政治活動としていろいろグループをつくったり、既存のグループに参加したり、また、グループとグループを結びつけるような動きをしたり、いろんな動き、実際、去年(令和5年)の9月の岩手県知事選挙でも、達増拓也候補陣営においては有権者の皆さんのそういう動きもあって、最終的に、ものすごく広がりのある形ができたなと思っていますので、そういうことが東京都知事選でも、それぞれの陣営といいますか、有権者主体に志ある有権者がまとまって、意思を、願いを形に変えるということができればと思います。
記者
私からは、先日成立いたしました改正地方自治法の件についてお伺いしたいと思います。(6月)19日に参議院の本会議で賛成多数で可決成立いたしました改正地方自治法では、大きな感染症や災害のときに、法律になくても、自治体に国が具体的な指示を行う権限というものが与えられるようになりました。こちらの改正について知事の受け止めをお願いいたします。
知事
国が、強い行動を取る場合として想定されるのはどういう場合かということに対して、政府側からは最後まで説明がなかったのだと思います。報道を見ていますと、関係者からは、隕石が落ちたときとか、怪獣が出たときですか、宇宙人が攻めてきたときだったか、何かそういうときぐらいかなとかいう報道も目にしたりしておりますので、言わばそういう事態は文字どおり想定されていない伝家の宝刀という、抜くことがないもの、抜かないで持っておくためだけの伝家の宝刀というものが法制化されたのかなと受け止めております。そういう意味では、いつまでも抜かれないでほしいと思いますし、そのためにも感染症でありますとか、自然災害でありますとか、分野ごとに非常事態対応の国と地方の役割分担を事前にきちんと決めておき、法律が必要であれば法改正をするということをきちんとやっておけば、抜かずに済むのだと思います。
記者
こちらも自治体のほうにかなり影響があるかもしれないということなのですけれども、全国知事会の会長である村井知事は、逆に安易に行使されることがないようにしてほしいというふうにおっしゃっていましたけれども、そちらについては、知事はどのようにお考えですか。
知事
安易に行使されないでほしいというのは、伝家の宝刀として抜かれないままでずっと過ぎてほしいということだと思いますので、同じことを考えているのだと思います。
記者
ありがとうございます。あと、話題が替わりまして、1週間ほど前からSNSで話題になっておりました紺屋町のマンションのチラシにおいて、岩手山が見えるというのを宣伝文句としてうたっていながら、実際には岩木山をデザインしたチラシになっていたということで、内舘(盛岡)市長も、かなり苦言を呈しておられましたけれども、こちらのことについて知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
ビジネス、商売のやり方というのは、自由が広く認められる分野ではありますけれども、昔からあった酒蔵がなくなって、それがマンションになるということについて、非常に寂しく思っている人たちが多いという現実があると思うのです。ですから、業者としては、そこにやはりかなり配慮しなければならないのだと思います。そこで、岩手山ではない山の写真を掲げて岩手山がよく見えるというのは、寂しいとか、そういう感情を逆なですることになるわけですので、逆なではやっぱりしないようにしてほしいと思います。むしろ、地域の人たちに対して、どううまく責任を取っていくことが、責任を果たしていくことができるのかということに更に思いを致してほしいなと思います。
記者
特に岩手山は、盛岡市民にとっては毎日きれいに見えたとか、そういったところで心のよりどころにもなっていますし、また、ニューヨーク・タイムズで去年話題になりました観光資源というか、自然景観の一つにもなっているのですけれども、そういったところがやっぱり取り違えられるというのは、岩手県の観光とかにはどういった影響があると考えていらっしゃいますか。
知事
まず、岩手山の存在は、岩手県民にとっては極めて大事な存在だし、それが粗末に扱われるということに対しては強い反発などの感情を持つ人が出てくるような、そういう山なのだと思います。そういう意味でも、ビジネスで岩手山に関わろうとするのであれば、そこにはやっぱりかなりの配慮が必要だと思います。
記者
別の話題なのですが、一関市の官製談合の関係です。最初の逮捕者が出てから続々と逮捕者が、行政側からも業者からも出ている状況ですが、まず、この件について受け止めをいただきたいのが一つと、この件を受けて一関市では、一部事業の執行停止まで発生しています。この対応に対する影響、あと最後に、県として、県組織内のガバナンス強化について、何か取り組みたいことがあればお聞かせください。
知事
まず、一関市において発生している問題については、やはり地方自治の問題でありまして、一関市民としてそこにしっかり向き合っていかなければならないということだと思います。そして、そうであればこそ、一関市当局(は)、行政として様々な処分とか、再発防止対策とか、そういったことについて検討を進めたり、あるいは実行に移したりしているところだと思いますけれども、そのようなことを経て、自治として乗り越えて、先に進んでいくことができればというように期待したいと思います。
県の行政に関しては、予算の適切な執行ということでは、内部統制の仕組みをかなりかちっとつくりまして、会計検査院から職員に来てもらったり、また、様々な会計検査院職員の助言、指導を基にしながら、県の中にも様々な部署や、また、職員をきちっと見ていく、そういう役を、そういうポストをつくって、それができる職員を育成しているというところでもあります。かなり手厚い内部統制の形をつくってきているとは思いますが、それだからというところも、だからこそというところもあるのかもしれませんが、毎年度毎年度、様々な不適切な処理は発見されて、そして、それが犯罪とか、そういうふうになる前に、あるいは、ならないように事前チェック的な、内部チェックをきちんとやっているところでありまして、内部チェックした結果、改めなければならないというところは毎年度毎年度、出てきますので、そこはそれぞれの担当が気を付けなければならないですし、また、内部統制の体制自体についても、決して緩むことなくやっていきたいというように思います。
記者
先ほどの紺屋町のマンションの件に戻ってしまうのですけれども、あちら、岩手を代表する山河が近くにある風光明媚な場所ということもあって、建設そのものに対しての反対というのは当初からあったかと思います。行政としてできることというのは限られると思いますが、ビジネスというところもありますので。ただ、こちらの声が上がっていて、行政として何かできることがあるのかどうか、この観点について知事のお考えをお聞かせください。
知事
これも盛岡市の自治の問題というところもありますので、市民がどういうふうに考え、どういうふうに行動していくのか、そして、それを受けながら、市当局のほうで行政としてどのように対応していくのかということがあるのだと思います。
見ていますと、このマンション建設そのものには反対しないけれども、今回のように急に突然決まることがないような形を盛岡市の中にきちっとつくっておくべきではないかという、そういう考え方に基づいて集会が開かれて、議論されたりしているようですので、それは非常に良いことだなと思っていまして、そういう形で地方自治の発展として、そういう景観とかまちづくりの問題についても、更にレベルが高くなっていけばいいなと思います。
記者
国会が事実上、今日、閉幕しますけれども、先ほどの地方自治法の件ですとか、政治と金の問題ですとか、いろいろ議論されていたと思いますが、今回の国会に関して知事はどう御覧になっていたのか、全体的な所感を聞かせてください。
知事
政治と金の問題というか、権力と金の問題ですよね。権力についている政党の中の一部特定の派閥や個人が、権力にずっとついているということを背景にしながら、長年にわたって違法であろうというような、額が少ないから検察が起訴していないけれども、額が多いケースはしっかり起訴されていて、額が少ない部分も起訴はされていないけれども、それはやっぱり犯罪であろうというような状況で、その辺が曖昧なまま閉会したというのが残念だったと思います。事実関係を明らかにするということが足りないまま、法改正のほうに議論が移ってしまって、それも事実解明と並行して、過去の昔の国会は重要な法案については幾つか国会をまたいで審議され、複数の国会を経て決定に至ったりしているわけで、無理に今国会で採決というのはちょっと禍根が残ることだったと思います。
記者
先ほどの質問で出ました一関市での公共工事をめぐる談合事件についてなのですけれども、ちょっと地元では市民に衝撃が広がっていまして、古くからの慣習だったりとか、昔からそういうことはあったのではないかなんていう声もあるのですけれども、地方行政に対する信頼が揺らいでいるということで、県の行政のトップとして、知事がその原因だったり、慣習という話が市民からあったのですけれども、思うところ、知事としてありましたらちょっと教えていただきたいというのと、あと、信頼を回復していくために、どういったことが必要かというのをちょっとお聞かせください。
知事
私が岩手県知事になったばかりの頃に、不適正経理問題というのが大きく出てきましたし、外務省で働いていたときも、問題になったのは衆議院議員になってからだったと記憶しますが、外務省の中でのプール金問題とか、そういう不適切な事案があって、それぞれ自分事として過去のそういう経緯を見てみますと、一部の人に任せっ放しと、一部の職員に任せっ放しというのが非常に良くないということが言えると思います。
経理については、つい、得意な人やずっとやっている人に任せがちになるのですが、しかるべき職に就いている人は経理の問題に責任を持たなければならないので、ちゃんと見ておかなければならないですし、また、職員一人ひとりが適切な経理のマインドを持たなければならないので、日頃からそういう意識を持つことが一番大事なのではないかなと思っております。
それで、岩手県庁内には内部統制の仕組みをしっかりつくることで、二重、三重に経理のやり方についてチェックし合いながら、人任せにしないような体制をつくってきているわけでありますけれども、およそ行政はそういう工夫を常にやって、より良い内部統制の形を発展させていくよう努めなければならないと思います。
記者
引き続き一関市の事件関連のお話です。前回の官製談合及び収賄の事件のときに、佐藤善仁市長がこういった事件が起こり得る背景として、特に地方の役場の人事というのは、非常に固定的で限定されたものになっている。同じ人間が同じ部署の仕事を長く担当することが多いということを、背景として挙げられていました。今回逮捕された職員に関しても、市役所に勤めるようになってから、ずっと建設部、何十年も勤めていた人間でした。こうした固定的な人事の仕組みについて、公務員としてのあるべき姿についてどう思いますか。
知事
やはり公務員は、2年か3年で交代していくという、長くやらないということが、まず基本だと思います。一方、これは国家公務員も地方公務員もそうですが、特に地方公務員に関しては、同じ部署で長くやってほしいという声が、相手をしている住民から結構強く言われたり、繰り返し言われたりすることがありまして、農業であれば農業、商工関係なら商工関係、住民サイドでは、ずっと同じ農業や商工とかのなりわいをずっとやっていて、そして、お互い理解し合って、最初から説明しなくてもさっと分かってもらえるように、同じ人にずっとその仕事を、そのポストに公務員に(長く)就いていてほしいということを非常によく聞くのです。いろんな事業の進捗状態によっては、同じ人に長くやってもらわなければならないような場面というのは、行政サイドから見ても出てきたりするのですけれども、そこのバランスなのだと思います。できるだけ長くやらないで、人事異動というのは一定のペースできちんとやらなければならないということと、一方、住民との関係で、特に、ある事業を推進したり、成功させたりするために、同じ人が長くやったほうがいいケースの兼ね合いをどう取るかということだと思います。
記者
そういった住民、民間の皆さんと、そして、役場の、良く言えばつながりというのは大事にしなければならないと思います。その一方で、今回は業者と癒着していたのではないかという疑いも非常に強いわけです。それについてはどのように思われますか。
知事
これは、長くやっていたことが裏目に出たということだと思います。それは、長く任されていた本人は、まず、その責任をより重く受け止めて、よりクリーンにやらなければならないのだということを自覚して働くべきだったと思いますし、また、やはり長く同じポストにいる人が、外との癒着というリスクが長くやればやるほど高まるというのが機械的には推測できるので、チェック体制もそれに合わせてやっぱり強くしておかなければならなかったということだと思います。
記者
話題が戻って恐縮ですが、都知事選に関して、先ほど知事、縷々(るる)思いを述べられましたけれども、今回の都知事選で、特定候補の応援で現地のほうに入るような考えというのは、今のところ持っていらっしゃるのでしょうか。
知事
まずは、この岩手の地にあって、東京都民の皆さん、有権者を応援するというスタンスでいきたいと思います。
記者
いろいろ思いがあったので、何か現地で訴えたいこととかがあるのかなと思ってのお尋ねだったのですけれども。
知事
行政というのは中立公平、政治は自由というのが民主主義の基本原則なので、まずは自由なやり方として、岩手から東京の有権者を応援したいと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は7月4日(木曜日)の予定です。
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