令和7年3月4日知事会見記録
開催日時
令和7年3月4日11時30分から12時15分まで
会見記録
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から林野火災に関する発言、その後発表事項が2件あります。それでは知事お願いします。
知事
本年(令和7年)2月26日に発生した大船渡市の林野火災は、焼損面積が約2,600ヘクタールに拡大しており、平成以降の山林火災で国内最大の被害となっています。これまでにお一人の方が亡くなっており、建物の被害も多数に及んでいます。
お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りいたします。被災している皆様にお見舞いを申し上げます。
今回被害に遭っている地域は、東日本大震災津波の被災地です。復興に向け取り組んできた中での今回の山林火災に心が痛みます。
この間、地元消防、東北、北海道から新潟、関東まで東日本各地からの緊急消防援助隊、そして、自衛隊の皆様に地上と空中からかつてない大規模な消火活動を行っていただいています。
避難所に身を寄せている住民の皆様には大船渡市役所、飲食業組合、ボランティアの御努力により温かい食事や風呂の提供など生活環境支援が行われています。
また、医療活動・感染症対策では、日本赤十字社やいわて感染制御支援チームなどの医療関係団体、支援物資の輸送では岩手県トラック協会などにも御尽力いただいており、感謝申し上げます。
県は、国、大船渡市、消防機関等と連携し、延焼の防止、早期の鎮圧に努めており、現地に県職員を派遣し、避難所の運営など、市の災害対応業務を支援しています。
現在は火災の鎮圧と避難所のケアに全力を傾けるときですが、復旧・復興に向けては、住宅等を失った方々への応急仮設住宅の供与、高校・大学等へ進学する方への支援など、被災者の生活再建を早急に支援するため、補正予算の編成を含め必要な対応を行ってまいります。
それでは、発表事項になりますが、まず、岩手県ではシリーズ第14巻「コミックいわてSaccola(サッコラ)」を3月21日に発行します。
表紙のデザインは、あだちとかさんの作品「つつがなしや」から、遠野市・荒神神社を舞台に主人公の「ふるさとの思い出」を表現しています。
作品は、藤沢とおるさん、うえやまとちさん、いくえみ綾(りょう)さんなど、コミックいわてに初めて執筆いただく著名な方や、吉田戦車さん、そのだつくしさんなど岩手ゆかりの漫画家による15本の作品を収録しています。
また、巻頭カラーページでは、今年(令和7年)の秋に本県で「北海道・東北ブロック民俗芸能大会」が開催されることを記念して、そのだつくしさんにコラボイラストを描いていただいております。
東日本大震災津波の直前にコミックいわての第1巻が出まして、コミックいわてを買って被災地を応援しようでありますとか、また、被災地の皆さんがコミックいわてを読んで少しでも元気をというような形で、東日本大震災津波とともに誕生したコミックいわてでありますが、今回の14巻は単行本としては最後の巻ということで、本の形式としては最後の形式になるわけでありますけれども、今回の大船渡大火の応援にもつながればというふうに思います。
そして、発表事項の二つ目は、令和6年度の「岩手県スポーツ賞」の受賞者決定です。41個人、1団体、42者のアスリートの皆さんです。パリオリンピック・パラリンピック出場選手、ワールドカップ、そして、ジャパンパラ大会など国内外のスポーツ競技会で優秀な成績を上げた皆さんです。
岩手・宮城内陸地震の際には、その直後に花巻東高校が春の甲子園で準優勝をし、また、東日本大震災津波の直後にはサッカー女子なでしこジャパンが優勝ということで、それぞれの災害の応援、大きな力になったことを思い出します。スポーツの力が災害からの復旧・復興の力につながっていくことを期待し、表彰式は3月13日に行う予定です。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入した記者から一言挨拶をお願いします。
(記者紹介)
幹事社
それではまず、冒頭に発言があった大船渡市の林野火災関係について、各社から質問があればお願いします。
記者
私から2点お伺いいたします。まず、先ほど御挨拶にもあったとおり、(3月)3日から避難所運営をサポートする県職員さんの派遣を開始されたということがありました。大船渡市の行政機能の維持に向けて、今後検討されている更なる職員派遣などマンパワー確保への支援策についてお聞かせください。
知事
岩手県と大船渡市は、随時、大船渡大火対応を協議していますけれども、避難所を支援する体制として応援があると助かるということで、県と市町村が連携しながら各避難所に一定の人数を応援派遣するということを決めました。今後、大船渡市との協議の中で何か必要なことがあれば様々支援をしていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点、今回の火災では工場の操業を休止すると、そういった経営に影響を受けている事業所も出てきております。こうした事業所への支援策について、現時点でのお考えありましたらお願いいたします。
知事
避難指示が出ている地区内で操業をしている方々が操業できなくなってしまうということが起きています。まだ具体的にどのような被害がどのくらい出るかというところは見えてきていないのですけれども、それが見え次第、どういった支援の制度があるのかということも、それぞれケース・バイ・ケースで調整しながら対応していくことになると思います。
記者
ありがとうございます。具体的に例えば、今後ヒアリングの予定とか、そういった具体的な動きというのは何か検討されていらっしゃることはありますでしょうか。
知事
様々市や県の産業担当が状況を調べたり、話を聞いたりもしていると思います。そういう中から具体的な対応策が出てくるという見通しです。
記者
火災による住宅、建物への被害についてです。県の発表資料でも、依然として84棟が焼損の可能性という段階から、なかなか次の更なる調査というのが進んでいないかなと思いまして、昨日(3月3日)も新たな地区での住宅の延焼というのも明らかにされましたけれども、現状の建物被害への調査の進捗状況と、今後、どのように県として調査を進めていきますでしょうか。
知事
大船渡市などの関係者と協議しながら、出すのであれば正確な数字ということで、その正確な数字が把握できない状態が続いているわけです。普通の火災であれば、鎮火した段階で家屋の被害を確認し、全焼とか半焼とか、そして、それが何件ということを確定していけるわけですけれども、まだそういうことができない状態ということですね、それぞれの現場において。また、更なる延焼が及ぶ危険性もまだそれぞれ残っていて、そうならないようにという消火活動の最中でもあり、正確な数字を把握するというのはなかなか着手も難しい状態ではあります。
記者
今回、林野火災の被害地が震災の被災地でもあるというところで、まずは消火優先だとは思うのですけれども、(東日本大震災津波から14年目となる)3月11日当日の知事の動き方として、何かお考えなどあればお聞かせください。
知事
3月11日までに鎮圧するよう努めたいところではあります。一方、鎮圧できても、そこから家を失った人たちへの支援が具体的に、かつ本格的に始まっていきますので、まず、その被害を受けた方々への支援ということを本格化しながら、一方で3月11日は東日本大震災津波の犠牲になられた方々に思いを寄せ、追悼し、そして、復興を誓う重要な日でもありますので、そちらのほうもしっかりやっていきたいと思います。
記者
被災地では、焼失面積の拡大に伴って住民の避難生活の長期化が見込まれております。仮設住宅の建設やみなし仮設への誘導を求める声もありますが、現状での住宅支援についてどのように進めていきたいとお考えかお聞かせください。
知事
県土整備部で、県営住宅として気仙地区や近隣の地区内で速やかに提供できるところを確認したり、また、そこの受入れ態勢を整えるというような作業、また、調整を始めているところであります。実際には、大船渡市からの具体的な建設要請を受けて、仮設住宅の建設あるいはみなし仮設の提供ということをしていく形になりますけれども、家の全焼など、家を失ったということが決まった方々が速やかに仮設住宅に入れるよう、県としては準備していきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点、済みません、現地ではボランティアの活動も進められております。3日は大船渡市の高校生100人が活動したとの報告もありましたが、大船渡市外もしくは他県からのボランティアの受入れ支援について現時点でお考えがありましたらお聞かせください。
知事
大船渡市のボランティアセンターの受付については、まずは大船渡市内の方で、かつ何でもいいからやらせてくださいというような形で受付する方については、具体的に何をやるかは鎮圧の後だということになっているところであります。避難指示地区が拡大しているようなところもありますので、市外から来て活動するとか、活動のため待機するというのは、当面いる場所から避難しなければならない、そういう避難者の中に入っていってしまうリスクもありますし、やはり当てもない状況で市外からやってきてボランティアというのはなかなか難しい状況なのだと思います。
一方、医療専門家のような方々はどんどん避難所に入っていますし、あとは、動物いのちの会の方々のペット預かり支援など、やることが明確かつ県や大船渡市との連携の実績もあり、何かあってもすぐ迅速に対応できる、避難指示地域の拡大みたいなことがあっても、さっと対応できるような団体が個別に調整しながら入っていくというのが今の状況ということだと思います。あと、地元の高校生の皆さんや、あとは飲食業の皆さんのように避難所にいる方々と顔が見えるというか、お互い誰か分かっているような方々については、その場、その場の調整で活動していただくということだと思います。
記者
延焼拡大が現状まだ続いているところでありますけれども、例えば、赤崎のほうであったりとか、そっちがちょっと抑えられたのかなと思ったら、今度は小石浜だったり、甫嶺のほうに広がって、全国各地から消防だとか自衛隊が応援に来ているわけですけれども、現状でヘリだったりとかというところの台数は足りているものなのでしょうか。
知事
異常な乾燥が続いていることと、あとは風が結構東西南北それぞれから吹くような変化がかなりあるような状況の中で、空中、陸上、それぞれの動きを考えて、今の日本で考えられる最大限の支援をいただいていると言っていいのではないかと思います。そういったものを超えるような、更に新しいいろんな増強の仕方とかというのはあり得るのかもしれませんが、現状でもかつて例のないような大規模な体制で、そして、乾燥と風の度合いによって延焼が拡大し、民家に及んだりもしてはいるのですけれども、かなり食い止めることができているということもまた言えると思いますので、今日の体制は今までで一番の体制にもなっていますし、まず今日はこの体制でということだと思います。
記者
すみません、もう一点、避難所とかで被災者の方とかにお話聞くと、やっぱり情報が入ってこないという部分があると思うのです。それは、我々メディアの問題かもしれませんけれども、こうやって知事が発表したところとか、県の発表している内容というのが被災者の方たちには、避難所にいる方たちには届いていないというのも一つ情報が入っていますので、避難所にいる方たちに情報を届ける、どういう状況だというのを知らせるためにどういうことを考えているとかありましたら教えてください。
知事
最大のポイントは、綾里の市街地や、また、民家に延焼が及んだ外口など、自分の住んでいる家が焼けたのか焼けてないのかというところ、民家に延焼が及んでいる地域でどのくらいの被害が出ているのかということが一番知りたくて、かつ、それがなかなか分からないということだと思います。やはり消火作業優先になっていきますので、まずは水のかけ方であるとか、そういったことを優先した情報の共有が行われていますので、個々の家について全焼か半焼か、また、そこを数えていくというような作業にはなかなか入れていないというのが現状です。
一方、マスコミのヘリあるいは消火関係機関のヘリが上空から空撮したものを見れば、ここはこのくらいはまだ家が残っているなとか、この家は焼けているなとか、そういった状況がある程度は分かるのですけれども、ただそういった情報についてはなかなか県とか、市とか、公が発表する場合に、後でどの映像だったのか、どの動画だったのかという検証が難しいですし、そうした情報が別の画像や別の動画によってひっくり返る可能性もありまして、だから、せっかく自分のうちは焼けていないと思った次の瞬間に、実は焼けていたみたいな情報が入ったりもしますので、そういうことがあり得るので、それでなかなか正式発表が難しいというところがあります。
ですから、一番知りたいそういう情報の部分については、私もまた、その情報を得られていない状態でありますので、そういう情報を得る難しさというのをまず理解していただきながら、まずは家が焼けている、焼けていないにかかわらず、避難所において安全と健康を維持できるような体制をつくっていくので、その中で健康の維持、また、できるだけ心安らかに過ごしていただきたいと思います。
そして、正式に発表できることについては、定期的にかなり発表はしているのですけれども、インターネット、スマホなどになじんでいないとそういうのがなかなか見れないとかいろいろあるでしょうから、県の職員もどんどん避難所に入っていきますし、避難所の様子などをうかがいながら、避難所にいる皆さんにうまく情報が共有される工夫についてはどんどん考えていきたいと思います。
記者
冒頭、知事が触れられた件で一つ、補正予算について触れられましたが、今、実態が、状況がなかなか見えない中ですけれども、例えば、今2月定例会開会中ですけれども、その期間に提出するのか、あるいはまたその内容ですね、生活支援がメインになるのか、知事がイメージされていることがあれば、まだ機関決定ではないと思いますが、教えてください。
知事
まず今、議会が開会中ですので、何か予算措置をしようとするとき、専決処分はできない状況でありますので、何かしようとすれば、そこは補正予算を提案するという形になります。延焼が拡大して、なかなか鎮圧していないので、いろんな必要な予算の規模を確定していくのが今現在は難しい状況にはあるのですけれども、抽象的ですけれども、必要性がほぼ見えてきたような段階であれば、早め、早めに予算措置をしていきたいと思います。
記者
それは、定例会中ということにこだわらずという言い方はちょっと変ですけれども、いろいろなことが判明して、その必要な支援だったり、必要な事業費が見えてきたら、もう直ちに措置したいと、そういう意欲ということでいいでしょうか。
知事
ええ、そういうことです。
記者
はい、分かりました。あと、もう一点先ほど知事が何回か触れていらっしゃった大船渡大火という言い方をされていますけれども、久慈大火も過去ありましたけれども、その呼び方というのは今後県として統一して言うような中身なのでしょうか。
知事
いや、全然そういうのは正式には決めてなくて、時間をあまり使わないように短め、短めに言葉を選ぶ中、そういう言葉が出てきたというところです。
記者
分かりました。あと、今回、今日も更に焼損面積が拡大しております。先ほどの中では、消火活動についてのことにも触れられましたけれども、原因が異常な乾燥と、あと風ですね、かなりいろんな方向に向いているわけですけれども、そのほかに(岩手県災害対策)本部員会議なり、あるいは有識者等に、もし相談というか、協議されているのであればどういったところが鎮圧を難しくさせているのかというのは、知事として現状でどう御覧になっているかをお聞きしていいですか。
知事
今対応している消防関係機関は、皆さん専門家であったり、優れた技術を持っていたりしていますので、時間がかかっているのは、やはり基本的に異常な乾燥が続いているということですね。これは、盛岡でもかなり乾燥が続いて、例年よりもいろんなところの湿度が低い状態ですし、それが峠を越えて気仙のほうに入り、また、更に大船渡地区に入ると、空気とか、周りの景色も木々の葉っぱがついていない木がたくさんあるその木の様子自体、今まで見たことがないくらい乾燥しているなという状況で、非常に異常な乾燥の中で火が出て延焼し、かつてない大規模な体制で消火に努めていただいているわけですけれども、なかなか鎮圧に至らないということだと思います。
記者
あと、山林火災は、大船渡ですと、陸前高田も途中でありましたけれども、先月(2月)の19日から始まっていて、今回の26日からのが規模が大きいわけです。ただ、そういった中で避難の指示の発表の仕方とか、なかなか追いつけなかった。大船渡市は、関係機関とも協議したと思うのですけれども、マンパワー的にもいろいろ対応を難しくさせたところがあったかなと思うのですが、今回、県ももう職員を派遣している中で、震災は経験している中での体制みたいなことで、改めてもっと強化しなければいけないというところがあれば教えていただけますか。
知事
避難指示については、実際に民家に延焼が及んでいなくてもあらかじめ避難指示を出していただいていて、かつ、後から延焼が来た場合、やはりその数日前に、大分前に早めに避難指示を出していたというふうになっていると思います。越喜来のほうは、当初想定していなかったエリアと言っていいと思うのですけれども、甫嶺地区についてもまだ民家に具体的な延焼が及んでいない段階で避難指示を出していますので、その辺はしっかりやってもらっているかなと思っています。
記者
補正(予算)について追加で質問させてください。基本的には早ければ現在開会中の議会にも提案をされるというふうな考え方でよろしいのかというのが1点と、念頭にある項目としては今ほどの質問ではケース・バイ・ケースでということでありましたけれども、お言葉の中であったような応急仮設住宅の提供ですとか、高校、大学へ進学する人への支援などといった項目がその補正の念頭にあるという理解でいいのか、それともそれ以外の項目、何か具体的にやるものがあるのか教えてください。
知事
やはりできるだけ早くという一般論と、一方、一定のめどが立たないとさすがに数字をつくれないというところがあるので、その兼ね合いの中でやっていくということだと思います。
記者
要するに、対応が可能なものについては早期に提案を目指していくというふうなお考えはあるのかどうかということです。確定してからでないと出せませんだと、情報発表のように後手後手になる印象を受けかねないかなということです。
知事
できるだけ早くという要請が一つあります。ただ、例えば、今日提出とかということになっていないというのは、やはり一定の数字として議会に出せるくらいの根拠というのを整えてからでないと提案はできませんので、その兼ね合いということです。
記者
ありがとうございます。念頭にある項目としては、お言葉の中で挙げたものという理解でいいですか。
知事
項目については、各担当に今検討してもらっているところです。
記者
その中には、発言にあった仮設住宅の提供ですとか、進学への支援というのは含まれるのでしょうか。
知事
そこは、各担当に検討してもらっているところです。
記者
含まれるという理解で……
知事
各担当において、何が必要かを今検討してもらっています。
記者
念頭にはおありになるという理解でいいですか。
知事
私のところにまだ補正予算案というのは上がってきていませんし、多分、財政課のところにもないのだと思いますので、今それぞれの必要かどうかというところを各担当が検討しているというふうに理解しています。
記者
御回答としては、具体的な項目としてはまだないという理解でいいですか。
知事
県組織としては、検討すべきところで検討しているというところです。
記者
ちょっと重複の質問になると思うので恐縮なのですが、避難されている方、被災されている方への情報提供なのですけれども、僕は、昨日見聞きしたことでお話をさせていただくと、まず、避難所のほうには情報というのは貼り出しをするのがほとんどないです。自力で、避難されている方が見ないと情報はないという状況でした。あと、一方で、堤防なんかで見られている、例えば、長崎、外口の住民の方なんかは、双眼鏡をわざわざ持ってきて、自分の家がどうなっているか、燃えているかどうかというのを見たりとか、あと、両地区の誰かが2人ぐらい勝手に中に入って、当然立入禁止ですけれども、中に入った人もいるという話まで聞きました。ということは、やはり圧倒的に現場の情報が足りない。発災してからすぐに非常線というか、それは手前に引くのは分かるのですけれども、あまりにも情報がなくて、自分の家がどうなっているのかということで、すみませんが、たくさんいらっしゃるというのがよく分かりました。
そこでなのですけれども、例えばなのですけれども、自衛隊機なんかも、知事がお分かりのとおり全部が放水しているわけではなくて、情報収集で飛んでいる自衛隊機もありますよね。そういうものというのは、例えば写真を撮ったり、映像を撮ったりされていると思うので、そういうところから情報というか、画像というか、そういうのを得て、例えば県が経由して、私たちとか避難所に情報提供するとか、そういうプッシュ型というか、県が主導して情報提供するというのも必要なのではないかなというふうに現場を歩いて思いました。いかがでしょうか。
知事
まず、貴重な情報として受け止めたいと思います。正確な情報がなかなか出せない中、誤解を招き得るというレベルの情報でも提供する仕方を工夫すべきかなど、できる情報の提供の仕方については、今までも様々検討はしてきているのですけれども、時間がたてばたつほど避難されている方々の不安は更に大きくなるわけでありましょうから、更に検討したいと思います。
記者
ぜひ御検討いただければと思います。
知事
はい。
記者
先ほどの情報提供に関しての追加だったのですけれども、自衛隊機で撮っているような空撮の写真であるとか、あと、毎回(岩手県災害)対策本部に出ている延焼の範囲の拡大の情報更新について、避難所のほうに提供するというのは技術的に不可能なのか、それとも何かマンパワーだったり、そういったところで難しくなっているのか、その辺の御見解をお聞かせください。
知事
消火作業の必要のための作業でありますので、様々な疑問に答えられるような形で情報を集めているわけではないので、断片的であったり、偏っていたりとかというところがまずそもそもあるのと、その画像や動画の判断ですよね、その際に様々燃えていないところが燃えているというふうに見えたり、その逆が起きたりといった、そういう誤解が広まるリスクというのを抑えられるかというところがあるのだと思います。ただ、延焼の長期化に伴い不安もやはり大きくなるということで、民家の今の状況、どうなっているのかということをどう当事者の皆さんと共有するのかは、更に深く検討していきたいと思います。
記者
分かりました。ありがとうございました。それともう一点、先ほどの補正予算の関係で確認だったのですけれども、なかなか具体的な項目は出しにくい状況ではあると思うのですけれども、例えば、暮らしに関する住宅の再建支援とか、県営住宅への転居も含めたものだと思うのですけれども、何かしら予算の措置は必要になってくると思うのです。仮設住宅という言葉を用いないにせよ、暮らしの再建支援だとか、そういった形で何か分野でのテーマ出しというか、そういったところについても難しいでしょうか。
知事
申し訳ないのですけれども、議会に対しての責任とか、また、現地、被災地に対する責任もありますので、私としてきちっとその責任に応えられるという判断した段階で、お知らせするようにしたいと思います。
幹事社
では、次に発表事項2件について、各社から質問があればお願いいたします。
記者
コミックいわての発行の件です。知事がお読みになった御感想と、発行に当たっての今後の期待感をお聞かせください。
知事
巻を重ねるごとにレベルが高まり、今回も非常に水準の高い作品が集まったと思います。また、初めて作品を寄せてくださる方々もいらっしゃって、岩手の漫画のネットワークというのが更に広がっていくなということを感じます。最近、ネットでちらっと見たのですけれども、岩手県が漫画県だと、漫画好きが多い県として全国一位という調査の結果があって、その理由としてこのコミックいわての存在とか、いわてマンガプロジェクトの歴史があるというようなことがテレビで取り上げられたのをネットでちらっと見たのですけれども、そういった実績を引き継ぎながら最先端を切り拓いている14巻だと思います。
幹事社
それでは、そのほかの事項について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。
記者
簡潔に1点のみ伺います。先日、岩手医大の内丸メディカルセンターのほとんどの診療科が来年(令和8年)1月から矢巾(町)の附属病院に移転統合することが発表されました。1日平均約1,000人が外来で訪れる医療機関が盛岡から矢巾に移るということになりますが、今回の移転統合についての知事の御所感と、移転後の医大跡地を含めた内丸地区の再開発の方向性についてお考えがありましたらお願いいたします。
記者
保健福祉部からは、県の保健医療計画や地域医療構想の観点から、盛岡圏域に必要な病床数という基準からすれば医療提供体制に影響は生じないという報告を受けております。
一方、内丸メディカルセンターを利用していた方々からすればいろいろ不安もありましょうから、そこは岩手医科大学の病院のほうでうまく矢巾の病院につなぐのか、あるいは盛岡中心部のほかのお医者さんにつなぐのか、そこは患者さんごとに丁寧に対応されると期待しますので、まずは大きな混乱なく、この後進んでいければと思っております。
そして、報道によると岩手医大としては、建物の今後の在り方については取壊し云々も含めて未定ということだそうですので、ここはまず、岩手医大における今後の建物をどうしていくかということを伺いながら、県としては盛岡市と一緒にその後の在り方を考えていくということになると思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終了いたします。
次回記者会見
次の定例記者会見は3月25日(火曜日)の予定です。
このページに関するお問い合わせ
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