17 けぇの汁
市町村:洋野町、大野
氏名・団体名等:東大野 清子(食の匠)
料理の紹介
けぇの汁は、大野地区では11月24日の大師講(大師様のお年とり)に小豆かゆ(大師講粥)とともにお供えし食べた。また、仏事の逮夜(通夜)には、白いおかゆと出される等、晴れ食である。大野の方言で粥を「けぇあ」というので、粥の汁のことである。7種類の材料を細かくきざみ、ささげ豆とともに地味噌でじっくりと煮込んだ汁物で、特に寒い季節に好まれる料理である。精進料理の汁物だが、1品で植物性たんぱく質や繊維質、ビタミン類等が揃っている栄養バランスのとれた料理である。
作り方
材料(10人分)
- 焼き豆腐 150グラム
- にんじん 50グラム
- ごぼう 30グラム
- だいこん 30グラム
- じゃがいも 80グラム
- 戻したぜんまい 80グラム(干しぜんまい10グラム)
- 生しいたけ 25グラム
- ゆでたささげ豆 80グラム(乾燥ささげ豆30グラム)
- 水 700cc
- 煮干し 大5本
- 味噌 40グラム
- 酒 15cc
作り方
- 乾燥ささげ豆を洗い一晩水につけてからさらによく洗い、たっぷりの水で1時間位煮て、固めにゆでて置く。
- 大きめの鍋に水と煮干しを入れ、静かに煮て、だし汁をつくる。
- にんじん、ごぼう、だんこんは、皮をむき、0.5センチ角で長さ1.5センチ位の角切りにする。ごぼうは水にさらす。
- じゃがいもは、皮をむき、1.5センチ位の角切りして、水にさらす。しいたけは大きいときは半分にして、薄切りにする。ぜんまいは、1.5センチの長さに切る。
- 焼き豆腐は、1.5センチ角に切る。
- 2の煮干しをとり、分量3分の1の味噌を味噌こしを使って入れ、酒も加え、水気を切った1、 3、 4、 5 の材料全部入れて、煮立つまで強火で、その後は中火か弱火で1時間ぐらい煮込む。途中野菜が柔らかくなったら、残りの味噌と酒を加えて味をみながら静かに煮込むこと。
干しぜんまいの戻し方
- 干しぜんまいは、たっぷりの水に一晩つけ、よくもみ洗いする。
- たっぷりの熱湯に1のぜんまいを入れ、煮たってから5分位煮て、火を止め、冷めるまでそのまま置く。
- 冷めたら、ぜんまいのあくの赤い水が出なくなるまで、水で洗い、そのまま、水にさらし、水が赤くなってきたら洗うを繰り返す。
(注)干しぜんまいを戻す時間は、2日位かかるが、急ぐときは、煮立てる時間を長くすることと、水洗いを頻繁に行うことで1日に短縮できる。
料理のポイント
- けぇの汁は、少量作るより大鍋で作った方がおいしく、作ってから一晩おいてあたため直すと、味がしみ、ささげ豆のとろみも加わりおいしくなる。
- 最初から薄く味付けして煮込むことで、1時間以上煮ても煮くずれしにくい。
- 焼き豆腐、ぜんまい、ささげ豆を多めにするとおいしい。ささげ豆は金時豆、うずら豆、白ささげ等なんでもよい。
- 味噌は、昔からの玉味噌や豆味噌を使うのが特徴だが、くせがあるので、最近は、みんなに食べてもらうように米麹の味噌を混ぜて使っている。味噌の混ぜる割合は、味噌の種類や食べる人の好みで代える。
- 玉味噌、豆味噌がない時は、赤味噌を使う。
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